磁気治療が始まりました。
初回は磁気の強さを少し弱めにして、大丈夫であれば強くします。
頭に水泳キャップをかぶり、照射場所にマジックで印をつけます。それに合わせて照射をします。照射の機械を頭に当てるのですが、それが少し重みがあって、首がだるくなりますが、その予防のために首まくらをしてくれます。
パチンパチンと少し大きな音がして、まさに頭にデコピンされているような感じです。痛みはそんなに感じません。ですが、先生から指定された時間(私の場合は30分)ずっと椅子に座っていなくてはいけません。とにかくその時間が苦痛です。携帯は機械に影響があるとのことで使用不可。本を読むことでしか時間をつぶすしかありません。
当時、私は体調絶不調で焦燥感、不安感が強く上半身をフラフラしてしまう癖がありました。じっとしていると気分が落ち着かないのです。照射している間、眠ることもできませんでした。
週2~3回通っていましたが、電車に乗る時間も長くその時間もかなり苦痛でした。午前いっぱい通院につぶれ、帰ってからは疲れからか昼寝。(治療後は眠気が出やすいともいわれました)当時、実家の母にヘルプに来てもらっていたのですが、家事をやる元気は全くなかったので本当にありがたかったです。
10回通い、医師との面談がありました。
まだ効果を感じられないと言いましたが、効果が出るのは20回が多いという臨床結果があるそうで、まだ望みはあるからと励まされました。TMSのスタッフの人にも何度も、いつから効果がでるのかと聞きました。
「皆さん、20回近くになったら効果を感じているみたいですよ」
とやはり同じ答えでした。
私が通っていたクリニックは、TMS治療が受けられるブースが3か所ほどあり、常に1~2人が治療を受けていました。
静かなジャズミュージックが流れ、薄暗い部屋でマッサージ椅子のような椅子に座って治療を受けます。調子が良ければコーヒーでも飲みながら読書したいくらいです。パチンパチンと響く機械の音だけが異様でした。